10月も後半。秋らしく涼しい日が続きます。ちょっと、秋空が雨を誘う日もありますが、色とりどりの傘で、雨の日も楽めるといいですね。
ご紹介の花は、「石蕗(つわぶき)」です。
10月から咲き始める花で、原産は日本、そして台湾の日本で生まれ育った花です。食用にも観賞用にも親しまれてきた可憐な花。海岸線や日陰でも育つ強い花で、葉っぱが蕗(ふき)に似ていて、艶のあることから「つわぶき」と名前がつけられたそうです。
日本の歌人で有名な斉藤茂吉さんの歌には、「いくたびか 時雨(しぐれ)のあめの かかりたる 石蕗の花も つひに終はりぬ」と、強く可憐に咲く石蕗も雨に花が散る様子など、儚く詠まれたこともあります。
秋から冬にかけて花を咲かせて、花が終わると種はタンポポのように風に散っていきます。そして、葉は艶やかなまま、冬でも茂ってくれるので、お庭の日陰、半日陰によく植えられる他、石組の足元や間などにも癒しのアクセントとして使われます。黄色の花と艶のある緑の葉が、風情を飾るワンポイントになるんですね。夏に植えこんで12月までの季節に観賞するのが最適です。
花言葉は、「困難に負けない」「謙遜」「謙譲」「愛よよみがえれ」「先を見通す能力」たくましくも謙虚な意味が多いですね。
-------------------------------------------------------------キク科 ツワブキ属 ツワブキ 海岸線や石際、岩の間などで、日陰でも自生する日本原産の草花。草丈は20cmから1mまでと種によって異なる。古くから庭園の下草に用いられ、葉は、濃緑色。葉表がクチクラ(キューティクル)でコーティングされているのも特徴。