6月といえば梅雨の季節ですね。梅雨のころに真っ白い花を木全体に咲かせる花。「山法師」をご紹介します。
古くから馴染みのある樹木ですが、最近は近縁種のハナミズキの方がよく知られるようになってきています。そしてハナミズキの花の方が少し大きくて華やかなため、より好まれるようになったとようです。
ハナミズキとヤマボウシはそっくりですが、花びらに見える総包片の違いで見分けられるんですよ。ハナミズキの総包片は丸まっていて、ヤマボウシの総包片は尖っているうえにヤマボウシには白しかありません。結構、違うんですね。
ヤマボウシの花言葉は「友情」。この花言葉が理由で、記念樹として植えられることも多いようです。
真っ白い花が印象的ですが、白い花びらの様に見えるのは総苞(ソウホウ)といい、つぼみを包んでいたものが変化したものです。本物の花は、その中心にある黄緑色のかたまりでありますが、一つの花ではなく、小さな花が20~30個ほど集まって咲いています。
山法師という名前は中央の丸い花穂を坊主頭にはなびらの様な白い総苞(ソウホウ)が、白い頭巾(ズキン)をかぶった比叡山延暦寺の山法師に似ていることから付けられました。
ヤマボウシは日がよく当たり、肥沃でやや湿潤な土質を好み、夏の乾燥が苦手です。ですから西日が当るところはなるべく避け、やむなく西日が当る場合は、株元を覆うマルチングの役目をする植物を植えてみましょう。乾燥を防ぐと思います。日当たりの良い場所が適していますが、午前中いっぱい日の射す場所でしたら大丈夫です。紅い花を咲かせる品種は十分に日が当たるほうがきれいに発色するようです。
----------------ミズキ科 ヤマボウシ〔Kousa Dogwood〕また別名 ヤマグワ〔山桑〕。原産地は日本(東北以南)。中国、朝鮮半島、日本の本州から琉球列島に分布。江戸時代に欧米へ渡り観賞樹木として栽培。同じ属のハナミズキに比較すると開花時期が遅く、葉が出たあとに枝先に開花するので華やかさは少ない。梅雨どきの花木としては価値が高い存在。花のように見えるのは本来の花弁ではなく、ハナミズキと同様、総苞片(花のつけ根の葉)。そのため比較的花の観賞期間も長いのが特長。果実は8月から9月に紅橙色に熟し、果肉は粘質で甘く生食できる。自然に樹形が整い、幹肌が鹿の子模様になることから、個人庭園のシンボルツリーや景観木、公園木のほか街路樹としても広く利用されている。最近では、常緑のヤマボウシとしてガビサンヤマボウシ、ヒマラヤヤマボウシなども出回って、人気を得ている。