前回、表札の銅板に刻んだ中央の溝を、片側だけ広げました。V字の溝に、深さができて、角度がついてきましたね。今回は、逆側も広げていきます。
反対側に溝を広げるときには、少し、隙間を空けて打込んでいきます。片側の溝を広げたことで、木型に銅板が馴染んでいますから、位置や形がズレることは、ありません。
イラスト上段左から2番目のように、少し離した位置に鏨の先をあわせて、外側から打込んでいきます。短い溝ができたら、縦に位置を揃えて、内側に鏨の先を移動して、打込みます。これで、広げる位置が固定されました。
溝と溝の間に鏨を置いたら、左右に動かしながら小刻みに打込んでください。木型に銅板を押し当てるようなつもりで、V字の角度が強く出るように、打込みましょう。
イラスト下段右のように、全ての溝をV字に叩けば、折り目の深い部分が完成です。ここから、平らに残った部分を、更に鋭利に仕上げれば、折りたたんだ形状をつくれます。次回を楽しみに!