だんだん、暖かな日もふえてきましたね。もうすぐ春が近づいています。
写真の花は、ちょっと早めに咲かせた「梅」です。梅は別名、好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、木の花(このはな)、初名草(はつなぐさ)、香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、匂草(においぐさ)など、情緒的な名前がたくさんつけられています。
お花見といえば、サクラの花を見ますね。でも、サクラが主役になったのは、江戸時代以降なんです。奈良時代以前には、花といえば、梅を指すことの方が多かったといわれています。平安時代中頃から、だんだん梅からサクラが好まれ、江戸時代には主役の座を取られてしまったそうです。
遠い昔、歌われた句に「梅は岡本、桜は吉野、みかん紀の国、栗丹波」があります。現在の兵庫県神戸市東灘区岡本にある岡本梅林には、羽柴秀吉が訪れた記録があるほどの名所でした。それだけ、梅は愛されていた花なんですね。
-------------バラ科サクラ属 落葉高木。アンズの近縁種で、野梅系(やばいけい)の果実は小形。果実を利用する豊後系(ぶんごけい)(肥後系(ひごけい)とも呼ばれる)ではアンズとの交雑により大形化したもの。花芽は、一節につき1個なので、開花時の華やかな印象は薄い。2月から4月に1cmから3cmぐらいの花を葉に先立って咲かせるのが特徴。花弁は5枚で、花の色は白、またはピンクから赤がある。