よく見かけるスイセンは、実は、「日本水仙(ニホンズイセン)」とよばれるスイゼン属の一種。12月から2月にかけて咲く白く可憐な花は、芳香のある小さな盃状の姿。耐寒性のある多年草(球根植物)です。葉と茎は緑色で細長く厚みがあり、とってもスマートないでたち。ショウブの葉を小さくした形をしています。
原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心にした地中海沿岸地域から、アフリカ北部までと、とっても広い範囲。原種は30種類といわれています。とても身近で親しまれている花なので、園芸用に品種改良されたものも、広く栽培されているんですよ。
ニホンズイセンは、古く室町時代以前に、中国を経由して渡来したといわれています。球根が中国から流れ着いたのでは?とも語られている不思議な花です。野生の日本水仙は、本州以南の暖かい海岸近くで群生が見られるそうです。越前海岸の群落は有名で、福井県の県花ともなっています。
-------------スイセン属 ヒガンバナ科。 ラッパスイセンやニホンズイセンなど色や形の異なる種や品種が多くあるが、この属に含まれるものが総称してスイセンと呼ばれる。多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせる。ニホンズイセンをスイセンということも多い。美しい花であるが、有毒植物。全草が有毒で、鱗茎に特に毒成分が多い。葉がニラととてもよく似ており、ニラと間違えて食べ中毒症状を起こすという事件が時々報告・報道される。