もう10月ですね。だんだん涼しく秋らしくなってきました。ご紹介する花は「りんどう」です。
群生しないで、一輪で咲くことから、ちょっと寂しげなイメージもある可憐な花。赤紫の花が、とても、おとなしい印象です。
りんどうは、秋の山野草の代表ですね。本州、四国、九州で咲く花。とても身近な人里近い野山や、山地の明るい斜面、木々が立ち並ぶ足元や、緑の広がる草原でも、見られるんです。春に伸びる細い葉は、笹に似ているんですよ。だんだん枝が立ち上がって、夏が過ぎると首を横に垂れ始めます。そして、秋を迎える頃に、千単位小さな蕾が姿を現します。
りんどうには、不思議な伝説があります。役小角(えんのおづの)をご存知ですか?よく昔話に登場する修行者で、鬼を従えたとも言われる不思議な力をもっていたそうです。日光の奥山を役小角が歩いていると、一匹のウサギがりんどうを掘り起こしていたそうです。ウサギは、主人が病気なため、りんどうを探していたそうです。役小角は「二荒神のお告げ」と確信し、試しに病人に飲ませると、効き目があったそうです。それ以来、日光では、りんどうは霊草になったといわれています。
-----------リンドウ科 リンドウ属 和名:ササリンドウ やえみぐさ(疫病草)多年草で原産が本州、四国、九州の山野草。9月下旬から10月に咲く花で、紫の5裂・筒状の花を数輪咲かせる。群生はせず、一輪で野に咲く。耐寒・耐暑性は普通で、秋には葉が枯れる。開花は5日~10日と期間は短い。