もう9月です。まだまだ暑い日が続きますが、日が落ちると、風が心地よい涼やかさを感じさせてくれる日もありますね。秋が、すぐ近くまで訪れているようです。
秋といえば「すすき」ですね。すすきは、日本の古い住宅の屋根をつくっていた植物です。茅葺屋根(かやぶきやね)をご存知ですか?かつて農家の家の屋根は、すすきを材料につくられていました。そして、家畜の餌にもなっていたんですよ。農家の集落近くには、定期的にすすきを刈り取るための「すすき草原」があったそうです。この草原を茅場(かやば)と呼んでいました。
この茅場には、多くの生き物が生息し、カヤネズミいうネズミなどが住んでいましたが、すすき草原の現象とともに、見かけなくたっていったそうです。
フサフサな穂が動物の尾っぽに似ていることで尾花(おばな)とも呼ばれています。秋の七草のひとつで、古くは万葉集に登場します。奈良時代初期の万葉歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし)また藤袴 朝顔の花」と詠んだことが有名です。
十五夜には、お萩といっしょに飾れられる秋の夜を語る花ですね。
-------------イネ科ススキ属の植物で萱(かや)尾花とも呼ばれる。野原によく生息する多年草。短いがしっかりした根が生え、高さが1~2mにも成長する。葉は細く根元から多数の花茎を伸ばし、先端に花穂をつける。種子に白い毛が生えて、穂全体が白っぽく見える。東京都中央区の日本橋茅場町は、江戸城がつくられた頃、すすき草原であり、屋根材料として、すすきを売る商人が住んでいたといわれている。