真鍮板(しんちゅうばん)を切り出して、表札の文字をつくる場合、どのように加工しやすい手順をたどるかがポイントです。前回、ドリルの穴あけ作業を行いました。材料の板からデザインした文字を切り出せるように、文字の外側と刳り貫く部分に糸鋸を通せる場所ですね。イラストでは、それぞれの文字に応じた場所に穴あけされた状態が描かれています。参考にしてください。
では、材料を切り出していきます。作業台に「H」の文字が突き出るように材料をクランプで固定します。今回の作業ポイントは、文字を1文字づつ切り分けるのではなく、一つの文字をほぼヤスリがけまで完了したら、切り離すことです。
イラストのように、まずは「H」の文字にあけたドリルの穴に、糸鋸の刃を通し、弓に固定します。「H」の横棒部分にあけたドリルの穴2つをつなぐように切り進んでください。穴がつながったら、金鋸で外側の部分を切り落としていきます。
「H」の右端が材料に着いたままで、外側の材料がなくなった状態です。このまま、材料の真鍮板を作業台に固定しておき、ヤスリで仕上げていきます。1文字づつにしてしまうと、ヤスリがけの作業をするための固定が難しく、効率がわるくなるための作業手順です。クランプではなく、万力(まんりき)と呼ばれる固定具で作業する場合は、1文字づつ切り離して作業することもできますよ。
次回は、ヤスリで仕上る工程です。お楽しみに!