今回から、木の板を使った表札づくりの開始です。初回は、材料となる木の板について、ご説明し
ます。木工は、木の表情を活かして、目的となる形をデザインしていきます。そのため、材料とする
木の種類によって異なる「色」、「繊維の密度」などの特徴から、組合せを選びます。
例として使用するのは、「桜」「チーク」「オーク」の3種類です。桜は、みなさんお馴染みの木ですが、
工芸で使用される材料は、ほとんどが海外産です。中国で育てられたカバや南米産のブラックチェリー
などが、代表的な材料です。
桜の木は、淡いピンク色の木肌で、繊維の筋が細かく目立たないのが特徴です。全体を明るく優しい
仕上がりにするには、最適な材料です。
チークは、成木になるまでに100年かかる木です。主に、ミャンマーやインドネシア、ベトナムなどの
東南アジアで生育されます。黄褐色と呼ばれる、黄色身がかかった油分の多い材料です。硬く、耐久
性が強いことも特徴で、乾燥途中で反り返りが少ないため、とても工芸に向いています。
オークは、ブナ科ナラ属の落葉広葉樹です。硬く弾力性があることから、ウィスキーやぶどう酒の樽に
用いられることで有名な木材で、ヨーロッパ、北米、ロシア、中国で、生育されます。色は暗灰褐色で、
黒っぽいイメージですね。この3種類の木を用いて、寄木風やライン、アクセントのついたラインデザイン
など、お好みのサインベースをつくりましょう。
お名前の文字は、木製の切り文字をご用意ください。次回は、必要な道具のご紹介です。